9月の3連休といえば、信越五岳の季節です。
今年、2017年には、念願の100マイルが新設され、エントリーされた方はとてもおめでとうございます。
信越の100マイルができたら、必ず走ってみたいと思っていたので、とてもうらやましい限りです。
なにがなんでも完走したい!という方のために、過去にボランティア1回、110Kを完走した経験から、アドバイスを残しておきたいと思います。
信越五岳2017コース変更について
短縮で開催されることになりました。
大会開催に関してのお知らせ ニュース - SHINETSU FIVE MOUNTAINS TRAIL 110km
黒姫エイドがゴールとなり、それぞれ、
110kmの部は52kmに、100マイルの部は、102kmとなるようです。
関門時刻は、当初と変更ありません(天候悪化による早期閉鎖の可能性はある)。
変更後のトレイル強度が気になりますよね。
そこで、獲得標高がどうなるかを概算してみました。
黒姫エイドからゴールまでは、約60kmあり、区間の獲得標高は 約+2,380mとなっています。
以下は、黒姫〜ゴール間の積算です。
大会の公式サイトでは、正式な獲得標高はそれぞれ +4,670m、 +6,500mとなっていますから、
変更後の獲得標高は、
110kmの部 → 52km +2,290m
100miの部 → 102km +4,100m
ぐらいになると思われます。
それぞれ、斑尾50K、例年の信越110K ぐらいの強度はあると思われるコースです。
2017年の気象状況について
台風の接近により、天候や路面が大荒れになるかもしれません。
また、現地からの情報では、朝・晩は10度を下回る冷え込みとなっているそうです。
台風の前は蒸し暑いかもしれませんが、通過後には、さらに急速に冷え込む可能性があります。
また、通過しても、吹返しの風が続くので、体感気温は大きく下がるかもしれません。
ペース
信越五岳のゴールタイムは、ontake100と、わりと強い相関があります。
次のグラフは、2015年の完走タイムによるものです。
トップは、原良和さんで、おんたけを8時間半で完走する原さんは、信越110Kを10時間半で完走しています。
このグラフからは、ontake100を14時間で走れるランナーでも、信越五岳110Kは、17~18時間を要することがわかります。
朝の5時半スタートなら、ゴールは22時~24時ぐらいになる計算です。
110Kの部では、ライトは必携装備ではありませんが、持っていくべきだと思います。
コース
前半の、斑尾山そして袴岳から妙高市内にかけては、とても走りやすい下りです。
しかし、思った以上に脚を消費していて、黒姫、笹ヶ峰の登りで、しまった、と思います。
とくに、雨が降ると、斑尾・袴岳の下りはスリッピーなので、太腿のブレーキを余分に消耗しがちです。
後半、夕闇の戸隠神社は別世界のようで、疲れを忘れるぐらいでした。
今年はコースから外れているようで、すこし残念です。
補給
こだわらなければ、エイドの食事は充実している大会です。
ただ、気温の低下が予想される場合には、余分にジェルを持つのが無難です。
炭水化物、とくにジェルは、すばやく体温を上げる働きがあるため、低体温対策に有効です。
アスリチューンの赤が、UTMBで役に立ちました。
ウォーミングアップで身体を温めるのが本来の使い方ですが、体感がマイナス6-7℃だったフェレ峠で飲んだところ、すぐに身体が温まりました。
お守り代わりに持ったり、また、ドロップバッグに入れておくと、笹ヶ峰で再始動するときに役立つと思います。
装備品
天候に大きく影響をうけるのが装備品です。
110Kの義務装備は少ないのですが、ライト、レインウェア、雨天時には乾いたベースレイヤーを持つか、笹ヶ峰に入れておくのがベストです。
低気圧が通過したり、前線が南下したときには、山は冷たい雨が降りやすくなります。
頭上で夏と冬が戦っているようなときには、蒸し暑さと冷たい雨が交互に降ることもあります。
昨年の信越五岳がそうで、蒸し暑さから一転、低気圧が通過したあとは、冷たい雨が降り続いたのを覚えています。
そうなると、完走の妨げになるのは低体温で、身体が動かなくなることです。
風をレインウェアで防ぐだけでも、体感気温は上がりますから、たとえ義務装備になくても持ったほうが無難です。
さらに持っているなら、ファイントラックのパワーメッシュを1枚はさむと良いと思います(アクティブスキンだとまだ暑いかもしれません)。
パワーメッシュをアンダーにすれば、上のシャツは綿以外ならなんでもかまわないと思います。
問題なのは体幹の冷えなので、動きを妨げにくいノースリーブがおすすめです。
豆知識的なテクニック
ハチ
スズメバチが出ても、刺されても、ペースを変えずに数百メートル走り抜けてください。
その場に立ち止まってポイズンリムーバーをしてる間に、もっと刺されます。
風になったつもりで、風景に溶け込んでおくと、意外と刺されないものです。
泥だらけの下り
矛盾するようですが、グリップさせようとすると滑ります。
つづら折りのターンでも、視線と状態を、つぎの進行方向へ向けていくようにすると曲がれます。
ようはスキーの要領です。
水浸しの水たまり
つい、トレイルの脇に避けたくなりますが、トレイルの脇のほうが不安定なことも多いです。
真ん中を突っ切ったほうが、良い場合も数多くあります。
雨粒がつくる波紋を見慣れると、水たまりの浅い部分がわかるようになってきます。
まとめ
今回、ぼくもボランティアで参加させていただくことになりました。
なので、自分自身でも用意すべき装備を、天気をにらみながら考えたものです。
みなさんも、直前まで装備は決まらないかもしれません。
2-3パターンを持っていって、スタート前に決めるのがベストじゃないかと思っています。
みなさんの完走をお祈りしてます。
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