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UTMB2017 レース日記 9月2日 クールマイユール〜シャンペ湖

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ここから、レースの後半が始まります。クールマイユールは、同時に開催されているCCCのスタート地点でもあります。

多くのランナーにとって、ちょうど昼間の時間帯となるため、一転して暑さとの戦いになります。

モンブラン山脈を眺めながらトレランができる気持ちのよいゾーンですが、その先にはこのレースのクライマックスとなる、フェレ峠(Gland Col Ferret)と、20km超に及ぶ、長い下りが待ち構えています。

クールマイユール(Courmayeur)

UTMBのコースは、町と町を繋いでいるので、山を下りると急に町になることが多い。

町中はマーキングが少ない。マーキングは、道にペイントで「UT↑」と小さく書かれていることが多い。

日中は、人通りも多いので、気をつけないと見落としやすい。


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ドロップバッグとサポート

クールマイユールでは、預けたドロップバッグを受け取ることができる。

ここは大きな体育館が、まるごと一つ、大エイドになっている。

体育館の外周に、ドロップバッグが番号順に吊り下げられていて、通過するときに、自分のバッグを受け取るというスタイルになっている。

その後に体育館に入り、休憩することになる。

ここでは、ハイドレーションの水の交換、ジェルの補充、靴下の交換などを行った。

広いが、とても混雑しているエイドで、食料の調達や補充には、サポーターがあるととても助かる。

決してのんびりしていたわけでもないのだが、気づいたら50分が過ぎていた。

サポーターによるサポートとドロップバッグについては、詳しく項を改めたい。


11時30分、出発。関門閉鎖が1時間半に迫っていた。

ベルトーネ小屋への登り(Refuge Bertone)

クールマイユールからベルトーネ小屋への登りは、コース上、もっとも急な区間。

5kmで800mを一気に登る。

ちょうどお昼でもっとも暑い時間帯。

つづら折りの登山道を、黙々と登る。

イタリアの太陽が、背中から容赦なく照りつける。


道端の岩に、顔色の悪い男性が腰掛けていた。

レ・シャピューで会った、日本人男性である。

顔が土色で、寝ているところを起こすのは申し訳ないけど、声をかけてみた。

「あー?」

とても不機嫌そう。だが、意識はしっかりしている様子。

少し休んでから行くとのことだったので、先に行かせてもらった。

残念ながら、彼はその後、リタイアしたとのことだったが、ベルトーネ小屋から先が悪天候になったことを考えると、とてもよいタイミングで決断したと思う。


クールマイユールへ、急坂で降りたのだから、その分は登りになる。

あの坂をもう少しスピードを上げられていたらな、と何度も考える。

登りでは、膝は痛まない。キロ20分で、ほぼ予定通りのペース。


日焼け止めを塗っておいて正解だった。それでも、乾燥した皮膚がピリピリと焼かれる。

地元の登山ガイドらしき人に抜かれる。

ロープも積んでいて、見たところ20kg以上はありそうな装備。

涼しい顔で抜かれた。

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「すごいね」

と声をかけると、

「大したことないよ、こんなもんだよ」

と笑いながら、さくさくと登っていってしまった。

ここでは、これぐらいは当たり前なのか・・・。


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13時、ベルトーネ小屋に到着。キロ20分。

予定よりも2時間遅れに拡大したものの、のちに確認すると68人を抜く。

次の関門に間に合うだろうか、、、クールマイユールで休みすぎた。

ボナッティ小屋(Refuge Bonatti)

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ベルトーネからボナッティまでは、走りやすい10kmほどのトレイル。 谷を挟んで反対側にある、ペンニーネ・アルプスの北斜面についたトラバース道を進む。

多くのランナーにとっては昼間の時間。 左手にモンブラン山脈、行く手にグランドジョラスが見えるので、いちばん楽しめるゾーンとなる。


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ここは走れるトレイルなのだけど、右ひざがだいぶ曲がらなくなってきたため、すこしの段差でも、着地衝撃を吸収することができない。

まだ距離にして半分、時間にして三分の一ぐらいでしかない。 走れるところは走るが、膝関節を温存するため、下りは緩くても歩いて進むことにする。


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背中からはイタリアの太陽が降り注いでるのだけれど、進行方向、つまりフェレ峠の方から、どんどん雲が流れ込んでくる。

ときおり、風の中に雪というか、氷の粒が混じってくる。

ふとモンブランの方角を見ると、すこし不気味な雰囲気になっていた。

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ボナッティ小屋についたのは、14時40分。
キロ10で行ける予定が、キロ13オーバー。 この先、もっとも厳しいフェレ峠(Grand Col Ferret)が控えている。


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雪と風が激しくなってきたため、ボナッティ小屋でタイツを履き、レインウェアを上下ともに着用。
たったこれだけの時間でも、止まっていると身体が冷えて、震えがやってくる。

コース変更で関門時刻もすこしタイトになっているし、果たして間に合うか。
すこし焦りを感じる。

アルヌーバ(Arnouvaz)

ボナッティ小屋からは一旦、イタリア最後の村となるアルヌーバに降りることになる。

雪は積もるほどではないが、溶けた雪でトレイルはドロドロになっていく。このあたりは風が強く非常に寒い。また、膝でスピードが上げられないため、身体が冷えてきつい。

正直なところ、UTMBを完走したからといって、だから何なのだろうか。 こんな厳しいストレスを感じることに、なにかメリットがあるのだろうか。

そんなことを考えながら、ずっと下の方をみると、アルヌーバのエイドが見える。その向こうに、マイクロバスが3台止まっている。

「もしかして、天気が悪くなったから、ここで中止になるのかも・・・」

と、少し喜んでしまい、急に気分が上向きになってきました。


急速に高度を下げるにつれて雪は雨に。 アルヌーバへの下りは、完全にどろんこ祭になっていた。
つるつるに滑る中を、慎重に下るが、膝が支えきれずに難渋する。

雨の日のトレイルは、フランスも日本も大して変わりゃしないなぁ、と思いながら、アルヌーバに到着。
到着は16時。クールマイユールを出てから、4時間半が経過。

こと、ボナッティからアルヌーバへの下りは、キロ16分以上に減速し、この区間で12人に抜かれていた。


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エイドでチーズやスープを食べていると、関門スタッフがランナーに話しかけているのが遠くに見える。

「もしかして、大会中止だから、バスに乗るように! って言われるかな・・・?」

と、すでに開放感に包まれながら近づいてみると、

関門のお兄さんが、おまえは行け!の ジェスチャー

どうやら、臨時の装備チェックで、レインウェアを持っていない人が、停止を命じられていただけでした。



えー・・・・。


アルヌーバの関門閉鎖は、あと2時間に迫っていた。

フェレ峠(Grand Col Ferret)

フェレ峠への登りは、4.5kmで800mの標高差がある。完全に、登山。


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雪というより氷の粒が、顔に当たって痛いし、寒い。
風が強いので、耳が痛く、顔がこわばる。
もっと冷えるなら、バラクラバをかぶろうか、というところ。
6月か7月、天気の荒れた日に、富士山に登るような感じです。

こんな状況でレースを続行するのは、日本なら OMM JAPAN ぐらいだよなあ、と、 2年前のOMM 嬬恋、破風岳のことを、思い出していた。
(現地ランナー曰く、この辺のこれぐらいは当たり前、とのことでした)


ただ、登りの膝はまったく問題がなく、ペースは順調でキロ23分、この区間では134人を抜く。
天候は悪かったが、明るいうちにフェレ峠を超えることができた。

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しかし、フェレ峠からは、約8%の長い下りが、20kmちかく続く。

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やはり問題はこれからで、登りでは問題なかった膝も、下りでは全く走れない。

ひたすら早歩きで降りるのだが、登りで抜いたランナーに、次々と抜かれていく。

しょうもない気持ちになってきて、道端のエビの尻尾の写真を撮ったりして、休み休み進む。

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ラ・フーリ(La Fouly)

ラ・フーリまでの下りは、日本の信越五岳のようなトレイルで走りやすそうに見える。 走れないので、道を譲りつつ、時間を気にしながら早歩きする。

下に街が見えてくると、ラ・フーリ、この長い下りの中間地点となるエイドに到着。

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すっかりやる気をなくした様子がビデオに残されていました。


フェレ峠からの下り10kmを2時間、キロ12という遅さ。結局、32人に抜かれる。

ラ・フーリに20時、閉鎖までは2時間半ありますが、次のシャンペ湖の関門は、午前2時。

ここからまだ下りが10km以上ある。

ほんとに間に合うんかな。

ラ・フーリ(La Fouly)からの長いロード

補給を済ませてラ・フーリを出ると、ロードでした。

ロード!ドーロ!

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やった!と思いました。

この時、初めて、完走できると確信しました。 ロードなら、深く膝を曲げなくても走れるので、かなりタイムが稼げます。

途中で日没となり、係員からライト点灯で停止させられたものの、ここからシャンペ湖までは止まらずに走れました。 最後、シャンペ湖までは3kmほど登るのですが、そこまでの下り10キロは、キロ6半〜7半のペースで快調。

シャンペ湖(Champex Lac)

シャンペ湖への到着は、22時22分。
ここへの登りは快調で、遠くにカウベルの音を聞きながら、つづら折りの斜面を淡々と登っていく。

この登りを含めても、ラ・フーリからシャンペ湖までは、14kmを2時間20分、キロ10分のペース。
この区間で、205人を抜き返し、関門余裕は4時間にまで取り返すことができました。

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