定番の比較レポート。GNSS(GPS)精度や光学式心拍系、バッテリー持続を上位機種となる935と比較しつつ、
新機能の音楽や、Garmin Pay の使用感、また、Garmin Pay を お得に作る方法についても紹介しています。
外観を比較する~645 MUSIC と FA935
935よりも、1回り小型のケースですが、画面サイズは一緒、と重量はほぼ同じ
金属ベゼル&金属ボタンはナイスデザインです
厚みも、ほぼ同じです
ひとまわり小型のケースということもあり、腕が細めの人や、女性にフィットしやすいデザインです。
裏面の比較~充電はクリップ式
光学式心拍計(OHR/WHR)は、935と同じく、緑の3灯式。
充電コネクタには違いがあり、645は、235などで使われるクリップタイプ(くわえ式)
このケーブルは最新型のようです。同じ見た目でも、Vivo move用のケーブルでは通信ができませんでした(逆は可能)。
スペックを比較する~基本機能
GPSによる運動ルートの記録
24時間の連続測定ができる光学式ハートレート
トレーニング負荷
24時間連続のHRVストレス追跡
乳酸閾値推定(心拍ベルトが必要)
といった基本機能は、ほかのGPSウォッチと変わりません。
ですが、音楽再生・NFC決済をインストールする一方で、バイクやスイムへの対応を減らしています。
935はエンデュランス競技向け、645/MUSIC はファンラン~マラソン向けと、異なる層をターゲットにしているのがわかります。
公式サイトはこちら
細かく見ていきましょう。
GNSS(GPS)や光学式心拍計の精度は?
Fenix 5 / Foreathlete 935 並のハイクォリティです。
フラットなロードでの比較
高低差の少ない河沿いのロードで、Garmin 935と比較。
設定はどちらもGPSモード(高精細)。935は心拍ベルトを使用、645は光学式心拍を用いました。
腕の左右差を除けば、ほぼ完全に重なります。
また、光学式心拍計も、ほぼ心拍ベルトとおなじ推移を示しました。
スタート直後、途中でポーズしたときの乱れはありますが、ほぼ同じ推移を示しました。
光学式は、着地衝撃による脈の変動が重積しやすいのですが、フラットなロードで使う限りは、トレーニング結果に影響を与えるような誤差はないと思います。
高山での比較
高度方向の特性を確認するため、御嶽山でテストしました。
Garmin FA935と、高精度な Epson MZ-500を対照機に選んでいます。
設定は、GPSモード(Ultratrakではない高精度の方)。
下図は、Google MAPにインポートしたもので、紫:645、緑:935、橙:MZ-500 となっています。
一部、尾根で遮られるところがありますが、衛星をロストすることはありませんでした。
腕の左右につけていた差はありますが、ほとんど違いはありません。
以上より、645/music の精度は、935と同等のクオリティがあると考えて良さそうです。
バッテリの持続は
カタログスペックで、
GPSモードで最大14時間、GPS +音楽で5時間
ウルトラマラソンや、トレイルにはちょっとキツイかなー、という印象
実測ではどうか
トレーニングOFFの日に、音楽15分を聞いて、心拍&HRVストレスを連続測定したところ、1日あたり−8%のバッテリー減でした。
GPS・光学式心拍ON・音楽なし で 1時間のジョギングで、8%減でした。
GPS・光学式心拍ON・音楽なし で 4時間半のトレランで、33%減でした。
GPS・光学式心拍ON・音楽ON・Rd-Pod接続 の 40分のジョギングで、10%減(1時間あたり15%減)
ほぼ、カタログスペック 通りで、週に1〜2回の充電で済みそうです。
ただ、Rd-Pod や 心拍ベルト などの外部センサー、ランニングパワー測定(iQアプリ)を動作させると減少は早くなります。
ウォッチ間で数値を同期する Physio TrueUp
これまで、街では645、レースでは935、と使い分けるケースでは、運動時間の合計、VO2max測定、最低心拍数やストレスの値が、それぞれで記録されていたため、トレーニングステータスや合計カロリーの管理がすこし不便でした。
新機能である、Physio TrueUp は、所有のGARMINデバイス間で、これらの測定値が共有するのを目標としています。
サイクルコンピュータの Edgeシリーズにも対応するため、運動消費カロリーやトレーニングステータスも、ラン、バイク、スイムを反映したものとなり、すべてのデバイスで同じ数値が表示されるようになる予定です。
現在、Ver. 3.30(英語版)にてβ対応となっています。
特徴的な機能を見る
音楽
今までの機種も、時計からスマホの操作は可能でした。
今回は4GBのメモリを搭載し『Bluetoothオーディオプレイヤーを内蔵』
500曲ちかくが入ると言われてます
PC版のGarmin Express を使うと、itunes のプレイリストなどを簡単に取り込むことができます。
ただし、著作権保護がかかっていると入れられません。
itunesから音楽を入れる
itunesから音楽を入れるのは簡単で、Garmin Express を開くと、プレイリストやアーティスト、曲単位で選択することができます。
注意点は、DRM保護(著作権管理)された曲は、ロックを外してMP3やAACにされていること、
クラウドで購入した曲は、PCにダウンロードされている必要があります。
ストリーミングサービス
ストリーミングサービスは、Garmin指定に 限定されるのがネックです。
日本国内では、エイベックス系のAWA
詳細はこちら → 月額960円【AWA】
海外では、iHearRadio、Deezer が既に対応していて、プレイリスト再生が超クールらしいです
BlueTooth ヘッドホンのおすすめは?
ご存知のように、Bluetoothヘッドホンは、親機との避けられない相性があり、運が悪いことも珍しくありません。
海外での発売直後の情報ですが、公式からは、AfterShokz TREKZ AIR、Bose SoundSport、JBL REFLECT MINI、Skullcandy Method Wireless のヘッドフォンを推奨していました。
このなかでも、AfterShokz の TREKZ AIRは、耳をふさがない骨伝導ヘッドホンとして有名なものですね。
安定した接続ができるか、手持ちのヘッドホンを確認してみました。
Bose QC30
有名な、ノイズキャンセリングを搭載したワイヤレスヘッドホン
同社の Sound Sports の代わりにテスト。
ペアリング:問題なくできる
安定性:途切れることなく再生できる
さすがに音質がよいヘッドホンなので、FA645の圧縮が分かります。オーバースペックでした。
Apple AirPods
対応がうたわれてないものはどうでしょうか。
ユーザー数が多いと思われる、Apple AirPods を試してみました。
ペアリング:問題なくできる
安定性:途切れることなく再生できる
すでに持ってる人は、問題なく使用できます。
SoundPeats Q30 plus
3つ目は、アマゾンで販売数トップを誇る、激安防水スポーツヘッドホン はどうでしょうか。
軽く、耳へのフィットが優れていて外れにくい
ペアリング:問題なくできる
接続状態:途切れることなく再生できる
バッテリーの保ちも 7時間と、FA645 MUSIC の再生時間を上回っていて、音質も、FA645で聞くなら十分のクオリティ。
とりあえず、激安スポーツヘッドホンでも、いまのところ問題なく動いていますし、ユーザー数の多い商品のほうが、トラブル対応も早いと思います。
安心を買うなら、公式が推奨している、AfterShokz TREKZ AIR、Bose SoundSport、JBL REFLECT MINI、Skullcandy Method Wireless がおすすめです。
Garmin Pay(NFC決済)
スマホのタッチで支払うように、時計でタッチすると支払いができる機能です。
スマホのウォレットと同様にカードを登録する必要があり、第一号となる提携先は、『三菱UFJ-VISAデビットカード』に決まりました(公式アナウンスはこちら)。
(公式サイトからも申し込めますが、待ってください。この段落の最後に、お得に申し込める方法を紹介しています)
Garmin Pay を使ってみた!
デビットカードは、ATMで出金しなくても、銀行口座のお金が支払える仕組みです。
このカードの場合、VISAが使えるお店で、クレカのように使えます。
クレカとのちがいは、15歳以上で三菱UFJの口座を持ってれば審査不要でだれでも作れるところ、口座の残高以上には使えないことです。
カードを作れば、設定は簡単。さっそく使ってきました。
電源(LIGHT)ボタン長押しで、ウォレット呼び出しをすれば、準備完了です。
マクドナルドはGarmin Payが使える
マクドナルドの場合、スマホや電子マネーとおんなじで、レジ横のセンサーにタッチするだけで終了です。
というか、思ったよりも感度がよくて、タッチする前に反応してしまい、写真撮影に失敗してしまいました。
注文したあと、スマホで銀行口座をチェックしたら、すぐに引き落とされてました。
コンビニはローソンが対応 ~ Visa Paywave
コンビニ御三家のうち、2018年9月より、ローソンが対応しました。
はやく、ファミマやセブンイレブンでも対応してほしいところです。
Garmin Pay の安全性
とはいえ、時計を無くしたときとか、お金は安全なの?と心配になりますが、安全対策もバッチリです。
まず、腕に装着した直後はパスコードが必要で、腕から外すとカードはロックされます(パスコードの再入力が必要)。
また、3回まちがえるとスマホから再設定が必要と、安全対策はかなり固めです。このあたり、公式ビデオで分かりやすく紹介されてます。
加えて、UFJ−VISAデビットのWebページで1日あたりの上限額を設定できますし、100万円を上限とした付帯保険もあります。
ATMから多額の現金を引き出し、持ち歩くよりは、よほど安心なのではないでしょうか。
UFJ VISA デビットをお得に申し込む方法
この UFJ VISA デビットカードは、5月31日現在、モッピーで 3,000円相当のポイントが貰える入会キャンペーンをやってます。
まず、このリンクで会員登録してください。
そのあと、広告検索で『UFJ VISA デビット』で検索すると見つかります。
条件を確認したら、POINT GET!ボタンから発行画面に移動できます。
このポイントは、モッピーから銀行振込で現金化できるので、オトクな方法で発行してください(広告キャンペーンなので突然おわることもあります)。
知りたい点・気になる点 Q&A
複数のヘッドホンは接続できる?
できます。複数のヘッドホンとペアリング可能で、音楽メニューの中から選択することができます(同時再生はできません)。
カーナビは接続できるか?
機種によると思います。ペアリング時にパスフレーズを要求するタイプでは、接続できませんでした。 (645ではパスフレーズ入力画面が表示されない)
気圧計(高度計)は内蔵されているか?
ログの記録を確認したところ、ForeAthlete 935と同じ変化をしましたので、同等と思われます。
カタログ上でも内蔵してることになってますが、面白いことに、気圧関係のウィジェットがインストールされておらず、過去の気圧変化も表示できません。
以下は、GNSS実測で紹介した、御嶽山の高度プロフィールです。
645と935はほぼ同じ、Epson は 山頂付近で+40mの差となっていますが、今回のピークである 摩利支天山は 2,950mのため、Epsonの方が、より正確な値を示していると言えそうです。
センサーデータの欠落は起こるのか?
海外フォーラムでは、音楽を聞いてるとき、稀にセンサーのデータが欠落することがある、との報告がありました。
確認するために、Rd-Pod、温度センサーを接続してテストしていますが、今のところデータに異常は見られません。
考えられるのは、処理が重くて追いつかなないケースでしょう。例えば、外部センサーを接続し、IQアプリを起動させ、GPS電波が弱いところ、といった悪条件が重なった場合が考えられます(このような悪条件のとき、姉妹機の935でも稀に欠落することがありました)。
ですので、GPSログやデータが重要になるケースでは、音楽を再生しないという選択肢もあります。
また、時計をザックの上に装着したり、肩ベルトにつけたりした場合、フットポッド(Stryd含む)からの電波が遮られ、欠落が起こるケースも報告されています。
音楽が途切れるときは?
再生中に、音楽が途切れるケースがしばしば報告されます。
これは、時計を装着している腕と、イヤホンのアンテナとの位置関係によることがあります。
もし、イヤホンのコントロールユニットが右側にくるようなら、時計を右腕にしてみてください。
電線でつながってないタイプのイヤホンでも、親機と子機になっていて、左右差がある場合があります(Apple AirPodsのように、片側だけで使えるものもあります)。
ブログ中でテストした、Bose QC30、Apple AirPods は、左右差がないため、途切れないのかもしれません。
バイクやトライアスロンに向いているか?
スイム・バイクへのサポートが弱いです。
具体的には、以下の機能を持ちません。
バイクパワーメーターに非対応
オープンウォーター & HRM-Swim(水泳用心拍ベルト)に非対応
マルチスポーツモードがない
サイコンのトレーニング負荷はステータスに反映されない
もちろん、プール水泳、バイクのアクティビティは記録できるのですが、ひとかたまりのアクティビティとして保存ができません。
精度は劣りませんが、どちらかというと、ファンラン向けのモデルだと感じます。
ランニングパワー計測への対応は
先日のアップデートで、ランニングパワー計測が可能になりました
別売りの Rd-Pod または HRM4-RUN が必要です。
ワークアウトの音声ガイダンスはできる?
音楽を聞きながら、ワークアウト機能で練習していたときです。
「ラップ 2、 4分」
という感じで時計がしゃべりました。
どうやら、簡単な音声は喋れるようです。
割り込んでいる間、音楽は一時停止になります。
速さはどれぐらいか~ベンチマーク比較~
IQアプリストアにある、CIQ Benchmark、Tree Benchmark でテストしました。
ForeAthlete 645 music の ベンチマーク値
ForeAthlete 935 の ベンチマーク値
どちらも、実用上はまったく問題のない速度ですが、数値演算は645が早め、描画を伴う演算は935のほうが早めで、操作時の感覚とだいたい一致しています。
ただし、935 は カスタマイズやCIQアプリ、多くのセンサーが接続されている条件です。
GPS以外のGNSSへの対応は
デフォルトである米国のGPSのほか、日本のみちびきによるGPS補完信号の受信、ロシアのGLONASSに対応しています。
なお、海外モデルでは、ソフトアップデートにより、欧州のGALIREOにも対応したようです。
日本モデルも、アップデートにより対応されるかもしれません。
まとめ
発売直後には、いろいろ不具合がありそうなものですが、いまのところ、トラブルなく使えています。
ジョギング~ファンラン~フルマラソンぐらいまでなら、この一台で十分に対応できます。
現在、FA935の実売が5万前半、定価8,400円の RD-PODも付属するので、バッテリーが重要なトレイルやウルトラランナー、トライアスリートには、FA935
ジョギングなど日常アクティビティ重視なら、FA645 MUSIC
と、お勧めします
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