メチロンのトレラン日記

データオタクの損か得かで考える雑な薬剤師がトレランするブログ

WKO5 で Running Power をチェックする

WKO5における、ランニングパワーの活用について。

パワー測定は、Garmin、Polar、Stryd どれでも構いません。

本記事は、WKO5を購入し、Training Peaksと連携したあとの話になります。


すぐに導入したい、Basic Run View


WKO5 から、View が加わりました。


View は、ダッシュボードを集めたもので、例えば、Cycling、Running のダッシュボードをまとめて切り替えられるように。


ランニングパワーなら、最初は Basic Run View が便利。


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インストール方法

Training Peaks アカウントとの同期設定を終えたら、右上の▼からメニューを選ぶ。

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View選択を選ぶ

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Basic Run View を選ぶ

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【新機能】サマリー 〜Power Duration Curve と iLevels 〜


iLevels 導入により、FTP がより柔軟に拡張されました。

従来は、「1時間のオールアウト」における平均パワーをFTP とし、それを 100TSS としてきました。


iLevels では、Power Duration Curve(PDC)からFTPが計算されるため、FTP測定のために特別なワークアウトをする必要がありません。


原理は、次のようになります:

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俗に言う「過去90日のパワーカーブ」というもので、この例では、

  • 400mや800mのインターバル
  • 10kmテンポ走
  • 30kmロング走

をしてます。

この過去90日における平均最大出力をプロットし、つなげたもの(平均最大曲線)が、iLevel における PDC(赤い実線)になります。

この推定カーブの1時間値を読めば、従来のFTPが推定できます。


mFTP、TTE、FRC、Stamina


iLevelsにおける FTPは、従来のFTPのように 1時間ではなく、オールアウトするまでの時間が TTE( Time To Exhaustion)で表されます。


上記の例だと、239Wを 50分15秒 でオールアウトで、このときの 239Wが、Modeled Functional Threshold Power(mFTP)と、従来のものと区別して表記されます。


従来のFTPは、Set Functional Threshold Power(sFTP)として区別され、必要であれば、PDCの1時間値を読めば求められます。


FRCは、Functional Reserve Capacity の略で、雑に言えば「無酸素系のエネルギー残量」を kJ で表したものです(無酸素というと武井さんに怒られそうですが)。

具体的にいえば、『FTPを超えで消費される、Anerobic のエネルギー』のことで、高強度になるほど持続時間が短く、レストやリカバリーで回復できます(後述)。

かつて、酸素借とよんでたものと同じような感覚でいいのでは。


Staminaは、FRCの逆で、TTEよりも長いワークアウトのとき、どれだけパワーが垂れるのに耐性があるのかを示します。

詳しい算出がどうなってるか分かりませんが、だいたい70〜85%の値を示すようで、スタミナ値が大きいほど、垂れるのに耐性があることを意味します。



【新機能】PDCの精度を高める


PDC上で『弱点』をみつける機能。

PDCダッシュボードの最下部に、カーブに対する優劣を示したグラフがあります。

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優れている部分は中心線よりも上、劣ってたり不十分だったところは下に表されます。

上の例だと、緑で囲んだ部分が不十分な箇所ということです。


グラフの下には「短距離」「中距離」「長距離」でのターゲットが3つ、表示されます。


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上の例では、


  • Short Duration : 340W を 9秒
  • Medium Duration:  294W を 1分43秒
  • Long Duration:  234W を 42分53秒


ぴったりである必要はなく、それぞれ 100〜200m、800m、1時間走、など、前後をカバーするワークアウトでOKです。



【新機能】個別に最適化されたインターバル設定


この個別化されたPDCに基づいて、インターバルのターゲット強度・時間・リピート数 も提案されます。

Running Training Zones という ダッシュボードを選択すると、


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左から、刺激されるゾーン、ターゲット時間&パワー、リピート数、総ターゲット到達時間、レスト時間 となります。


前述のぼくの例だと、


  • Pmaxを刺激したければ、331Wを12秒、5〜10回

  • Max Aerobic を刺激したければ、282W を 2分11秒、3~8回、レストは同じぐらいの時間

  • FTP を刺激したければ、237W を TTE まで(39分54秒)



ということになります。



【新機能】個々のワークアウト〜dFRC と TIS〜


個々のワークアウトについて。


ダッシュボードたくさんあるのですが、新機能の部分だけ紹介します。


ダッシュボードタグから、Workout を 押し、Training Impact Run を選択します。


Training Impact Score(TIS)


有酸素(Aerobic)、無酸素(Anerobic)へのトレーニング効果を示します。

Garmin とかで 5.0 みたいに出るやつと同様で、10段階評価。


坂道インターバル(10回 × 90秒)の例:

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左にスコア、右は 時間とパワーのグラフで、FTP超えの部分が赤で示されます。


dFRC(delta Functional Reserve Capacity)


さっき、FRCは FTP超えのエネルギー残量と書きました。

そのFRC残量をワークアウトの時間経過とともに推定したのが、dFRC のグラフです。

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坂90秒ダッシュ ー レスト2分半(帰り)ですが、3本目で FRC がゼロに到達してます

充分に回復しないまま4本目でつぶれ、長めにレストしたけど5−6本目はダメ系で、また休んで7−8は微回復。

しっかり休みをはさんで、9,10回目は、戻ってきてるのが分かるでしょうか。


要するに、レペ強度は、1本ずつきっちり休まないとダメ、ってことがdFRCグラフから分かります。


FTP超えのインターバル強度およびレスト時間が適切だったのかを振り返る参考になるのが、dFRCグラフです。



まとめ

WKO5 は 機能が盛りだくさんで、面白いところがいっぱいあります。

ここの機能、どうやって使うの?とか、面白い機能みつけたよ、とかあったら、ツイッターで教えて下さい。

要するに書くのが疲れるほど機能が盛りだくさんです。




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