トレイルレースにおいては、よく3ポイントレース、などと表現されることがありますが、そのポイントは、国際トレイルランニング協会(ITRA)が定める指標に基づいて算出されています。
それは、正式にはエンデュランスポイント(Endurance Points)のことを指しているのですが、それ以外にも2つ、重要な指標が存在しています。そのうちひとつは、目的とするレースが完走できるかの目安となる、大切な指標です。
このエントリでは、その3つの指標を解説し、その使い方についても説明したいと思います。
3つの指標
2014年から、新しいポイントシステムとなり、エンデュランスポイント(Endurance)、マウンテンレベル(The Mountain level)、完走難易度(The Finisher) の3つの指標が導入されました。
エンデュランスポイント
いわゆる「ポイント」で、総距離と獲得標高から計算され、6段階で表現されます。
国内の代表レースでいえば、KOUMI100、おんたけ100マイル、山田昇カップ(上州武尊)120K が 最大のポイント6に該当しています(2016年)。
一般的に、レースポイントといえば、このエンデュランスポイントのことを指します。
ITRAポイントの計算方法
ITRAのエンデュランスポイントは、次のように計算されます。
距離(km)+(獲得標高m ÷ 100 )
例)65 km で +3500 m のレースの場合
65+3500÷100 = 100
この数値の大きさで、1〜6のエンデュランスポイントが割り振られます。
- 25〜39・・・・ITRA 1
- 40〜64・・・・ITRA 2
- 65〜89・・・・ITRA 3
- 90〜139 ・・・ITRA 4
- 140〜189・・・ITRA 5
- 190〜・・・・・ITRA 6
先の例だと、100なので、ITRA 4、となります。
マウンテンレベル(山岳度)
そのトレイルを、坂道の割合や、連続した登りの長さ、標高の高さによって、12段階に表現したものです。
国内の代表レースでいえば、ハセツネ・山田昇カップ(上州武尊)120Kが7、奥三河パワートレイルが6、ontake100km が 3、信越五岳が4、に該当しています。
海外に目を向けると、ウルトラトレイル・コルシカ(フランス)が、マウンテン9、エンデュランス5のレースです。想像がつきません。
フィニッシャーポイント(完走難易度)
この指標は、完走ギリギリランナーに大きく関係があります。この数字は制限時間から計算され、数字が大きいほど完走難易度は上がります。
レースカレンダーで表示されるこの数値は、完走ギリギリランナーのパフォーマンスを示しています。
そのため、参加者は、じぶんのパフォーマンスインデックス値と、このフィニッシャーポイントを比較することで、完走できるかの判断に使うことができます。
使い方
まず、自分のランナーファイルを開けて、パフォーマンス値(General cotation )を確認します。
下は、私のランナーファイル画面です。
この場合、パフォーマンス値は545になります。
次に、気になっているレースのカレンダーを開き、フィニッシャーポイントを確認します。
UTMB2017を調べてみますと、
UTMBのフィニッシャーポイントは420ということが分かります。
わたしのパフォーマンス値は、UTMBのフィニッシャーポイント値を越えているので、完走できる可能性はまだ残っていそうです。ああよかった。
この指標は、UTMBやUTMFなど、抽選が行われるレースでの、当選率にも影響していると思われます(未確認)。
カレンダーや、ランナーファイルの調べ方は、別記事にまとめましたのでご参照ください。
ランナーのレベル
ITRAのFAQに、パフォーマンスインデックスによる、ランナーの分類があります。
これによると、私はC程度のランナーだということがわかります。
ちなみに、JIM WALMSLEY選手や、KILIAN JORNET選手が、900オーバーの AAAランク、ELITE 1 カテゴリーに属します。
日本に目を向けると、RUI UEDA選手が875と総合トップ、ウルトラ(>100K)に限定すると、YOSHIKAZU HARA選手が833ポイントでトップということが分かります。
みなさんのスコアは、どうだったでしょうか。
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