おんたけの季節が近づいてきました。今年から Ontake 100 と名称が変わりました。 アクセスも容易で、人気の大会。
100kmを過去2回、100マイルを1回完走した経験から、コースや装備についてのアドバイスを残しておきたいと思います。
ペース
次は、2014年の おんたけウルトラ100kmのGPS実測高低図です。
制限時間は、100kmを20時間ですから、キロ12分のペースで完走できそうに思いますが、いちばんタイトなのは第1関門です。
35kmを6時間以内で通過しなければならず、しかも上り基調の夜間走です。
ちなみに、次は2015年のGPS実測高低図です。 2014年に比べて、厳しい設定だというのが分かるでしょうか?
林道整備や災害などの影響により、年によって使われる林道が異なるため、全体の距離も、関門の位置も同じとは限らないところが、おんたけを面白くしています。
さらに、2016年の100マイルの実測高低図。新ルートとはならず、3回ループパターンでした。 1回目のループは、最初の登りを半分からもう一度、2回めのループは滝越からの登りをもう1回、3回目のループは、最後の下りをもう1回するかたちになります。
装備品
ライト
スタートは午前0時ですが、4時半にはだいぶ明るくなってきます。足元が4時間ぐらい照らせる性能があれば十分でしょう。
また、参加者が多いので、ボリュームゾーン付近であれば、全体的に明るく感じます。
しかし100マイルは違います。スタートが20時なので、8時間以上の実用照度が必要となり、ほとんどが一人旅です。
レギュレーションには書かれていませんが、予備ライトの携帯をお勧めします。電池交換ができません。
レインウェア
防寒具としての役割もあります。スタッフから着用を指示されたとき、持っていないと失格になると思います。 昨年、第1関門で停滞したとき、「低体温を防ぐためレインウェアを着用してください」と指示されることがありました。
その顛末は別記事を参照下さい。
食料
大エイドは3つあり、おにぎりやバナナ、第3関門には「そうめん」がありました。 ジェル10個は、ペットボトル1本分の重さです。
空腹で死ぬことはありませんが、脱水症状はパフォーマンスや生命に大きく関わります。 足つりを予防する効果のある、マグネシウムを含んだ塩分を持参することをお薦めします。
PowerBarから出ている、「トップスピード ウルトラミネラルタブレット」が便利です。2錠を500mlの水に溶かすと、もっとも吸収の速い浸透圧に調製されます。
受付会場でも買うことができます。
ポールを持つなら慣れておく
使わないなら、重たくなる分だけ損です。100kmだと腕の重さも馬鹿にできないので、腕の置き場として、使い続けるのがベターです。
シューズ
壊れる心配がなければ、履きなれたシューズで十分だと思います。
ただ、15-16時間を越えてくると、足が浮腫んできやすくなります。
コンディショニング
睡眠
睡眠不足はパフォーマンスを低下させます。米国での話ですが、プロスポーツ選手の睡眠時間を増やしたところ、パフォーマンスの改善に繋がったそうです。 www.medpagetoday.com
疲労対策
直射日光は、思っている以上に、疲労が貯まります。帽子やサングラス、日焼け止めを使用することで、疲労の蓄積を軽減することができます。
足がむくみやすい人は、C3fitのような、コンプレッションゲイターがおすすめです。ランニングパフォーマンスを向上させる効果はありませんが、むくみの悪化を軽減することができます。
足首やひざの関節が曲がりにくくなるほど浮腫んでしまうと、最後の下りが厳しくなります。昨年はむくみから曲がりにくくなり、最終ループからの下りでペースを上げられなくなりました。
脱水症状
スタートから10kmほど続く登りをがんばりすぎると、すぐに脱水症状気味になってしまいます。
脱水症状からの回復にはとても時間がかかるので、天然エイドを十分に活用してください。
エイドステーションの水も、たぶん天然エイドの水だと思います。
とくに100マイルの場合、最初のウォーターステーションまで約40kmあります。天然エイドがあるのは水音で分かるのですが、暗闇の中で見つけるのは大変でした。
宿泊
定員が増えたため、公民館は大変です。松原スポーツ公園と駐車場は、キャンピングやテント泊は禁止されていて、失格になると書いてあります。
いまから間に合う練習法
スピード練習をやりすぎない
完走目的なら、過度のスピード練習は不要です。やりすぎると持久力が落ちてしまいます。
14時間を目標にしている場合でも、フルマラソンのSUB4の走力があれば十分だと感じます。
8時間、歩きつづける練習は有効
それよりも、休まず歩き続けられる能力が、完走に近づけます。 1日中、歩き続ける練習に効果があります。もたれかかったり、座ったりしなければ、立ったままでも、ジョグでも、買い物でも構いません。
岩本能史さんの、ウルトラマラソンの本に詳しく書かれています。
2週間前までに練習は済ませておく
身体の芯に残る疲労は、トレーニングにかけた時間で決まります。 オーバートレーニング気味だと、疲労が抜けるのに、まるまる2週間近くかかります。
みなさんの目標達成を応援しています。
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