おんたけウルトラは、コースのほとんどが林道となっていてコースも広く走りやすい。そのため制限時間が 100kmが20時間、100マイルが24時間と短い。100kmは午前0時に、100マイルは先行して午後8時にスタートしており、必ず夜間走を伴う。最初から最後までポール使用が認められている。
ペース配分
今回、マイル完走を目標にした。過去の順位をみると、中央のゴールタイムが約22時間ぐらいとなっている。これは、登りはキロ8.5、下りはキロ6、水平区間は7〜7.5、特に厳しい登りはキロ10~11で、だいたいそのゴールタイムになることが分かる。そこで想定される関門通過タイムは以下のようになる:
- 第1関門(53k) +07:00
- 第2関門(73k) +09:45
- 第3関門(103k) +14:00 ドロップポイント
- 第4関門(118k) +18:15
- ゴール(157k) +22:00
閉鎖時間でみるといちばんタイトなのは第3関門だが、閉鎖は15時間後だから14時間なら、1時間のゆとりが生まれる。すると残り60kmは10時間、時速6kmでいいわけだから、そこからは早歩きぐらいの速度でも完走ラインになる。とはいえ、増えるのは夜間走の部分なのだから、100Kの14時間よりも厳しいことは想像できる。この夜間走でペースを維持しつつ、消耗をできるかぎり避けることがカギになる。
装備
今回は、頭と腰のダブルライト、そしてスタートからポールを使うことにした。おんたけでは、低い位置から照らせるハンドライトが凹凸を見つけやすい。また参加者の多い100kmなら明るいが、100マイルだと他人のライトに期待することはできないので、ペースの維持には明るいライトが有利になる。だがハンドライトとポールは同時に使えない。ペースの維持か、体力の温存か。どちらが有利か考えた結果、ポールとダブルライトという折衷案になった。Gentos の NEX-975R という 重めのハンドライトを使うつもりだったから、ライト2つでも重量増はたいして気にならない。最初からポールが使えることにメリットを感じた。
練習
毎日10kmジョグに、週1〜2回のポイント練習を加える、「福澤メソッド」*1 をベースにした。この方法のメリットは、
- 毎日1時間を積み重ねる
- 一度に20キロを越える練習はしない
- ポイント練習はビルドアップ走をする
- インターバルやレペはしない
- 疲労や故障が貯まりにくい
ところにあり、トップスピードの引き上げよりは、持久力の底上げに重点をおいた練習方法になっている。フルマラソン向けの方法だが、ウルトラマラソンにも効果があると著書の中で触れられている。この方法だと、月間距離は約300kmぐらいで、多く走っても400kmぐらいにとどまる。
これに昨秋から切り替えていて、インターバルやレペティションといった高強度も、イベントやレースを除けば20kmを越えるロング練習も全くやらなくなった。だけれど、冬の愛媛マラソンのタイムは落ちなかったし、春の奥三河パワートレイルでもタイム更新できているから、少なくとも悪影響はないと感じた。むしろケガをしなくなったメリットの方が遙かに大きいと思う。2014年はペース走中に股関節の損傷、2015年には度重なるロング走によって疲労骨折となり、2ヶ月ほど満足に練習できないまま、おんたけを迎えたからだ。
なお、ポイント練習は、対おんたけにアレンジして使っています。週1〜2回、20km未満は変わりませんが、獲得標高、そして活動時間にこだわった練習を含めています。連続した活動時間の方が大きいと感じたので*2、走りにこだわらず、時間をかけた登山を取り入れるようにしました。なぜなら、走るよりも歩くほうが速い場合があるからです。
坂道トレ
登りはロードで走りきり、下りのトレイルは大腿四頭筋に刺激がはいるように
林道トレ
おんたけに似たプロフィールの林道で実践練習
高所登山トレ
坂道を歩き続けること、組織が酸素をつかまえる能力への刺激
ほぼ歩きですが、酸素の薄い所で長時間の運動を継続している例
そして、起伏のないロードランであっても、走らないより走ったほうが遙かによい。
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*1:「3時間切り請負人」が教える! マラソン<目標タイム必達>の極意 (SB新書) 福澤 潔 (ミズノランニングクラブ監督) https://www.amazon.co.jp/dp/4797382708/ref=cm_sw_r_tw_dp_bQCMxbGJP7M0Q
*2:200km走って編み出した理論 岩本能史コーチの100kmマラソンは誰でも快走できる 岩本能史 https://www.amazon.co.jp/dp/4947537892/ref=cm_sw_r_tw_dp_YH1MxbK48GJVM