メチロンのトレラン日記

データオタクの損か得かで考える雑な薬剤師がトレランするブログ

腕でパワー計測が可能になった Polar Vantage V、レビューと比較

f:id:live-simply:20181105141743p:plain
Polar から、数年ぶりの新作。時計本体のみでランパワーが測定できるように。

精度を高めた光学式HRを搭載し、トレーニング負荷管理に新しいステージを感じさせます。

この記事では、Vantage V の魅力をお伝えするとともに、気になるGNSSや心拍の精度、先行する Stryd や Garmin の パワーと 比較レビューする予定です。

Polar V800から数年ぶりの新作

ポラールは、80年代からワイヤレス心拍計を開発してきた歴史をもち、トレーニングの世界ではよく知られる、伝統のある会社です。

今回は、完全なリニューアル設計となり、光学式心拍計およびGNSSチップ、ソフトウェアが刷新されています。

www.polar.com


精度を高めた光学式HRを開発

Vantage V では、光学式による心拍測定の精度を高めるため、つぎのような対策が取られています。


  1. 波長の異なるLEDを組み合わせ、深い位置の血流変化も読み取る

  2. 接触センサーにより、時計の密着状況を確認する

  3. 異常値が出たら、ログをさかのぼって訂正する


これにより、皮膚の血流が悪くなる寒い時期や、激しい動きを伴う運動のときにも読み取りの精度が向上し、かりに異常値が表示されても、記録上はさかのぼって修正されます。

ログファイルから異常値をカットする作業は手間がかかるため、この改良には期待がもたれます。



SonyのGNSSチップを採用

Suunto に続き、SONY製の省電力GNSSチップを採用。ウェアラブル端末の世界では急速に採用が進んでいるICです。

このチップは省電力であるだけでなく、ユーザーの行動や動作を学習し、精度を高める「センサーフュージョン」の機能を持ちます。

eetimes.jp


これにより、最長で40時間の記録を可能にするとともに、外部センサーを買い足さなくても、時計本体だけでランニングパワー計測が可能になりました。

Vantage V での計測は、速度からパワーを推定するシンプルなものですが、センサーフュージョン技術の登場により、パワー計測にあたえる腕振りの影響が解決されています。



トレーニングの負荷管理では他社をリード

これにより、心拍とパワーが別々に測れるようになったため、内部パワーと外部パワーに分けて管理することが可能になりました。

ソフトウェア面でも、ProTM へと進化し、負荷を『心肺負荷』『筋負荷』『自覚的負荷』の3つに分類

これらが記録されることにより、オーバートレーニングや、負荷が適切にかかっているかを、ユーザーがチェックし易くなっています。

また、夜間に連続装着すれば睡眠状態も計測されますし、ベルト心電計(Polar H10)を使うと、ストレス状態をより正確に測れます(Recovery Pro)。


これまで、GarminStryd でも、パワーを測定することはできましたが、分析には、TrainingPeaks や Todaysplan、Stravaといった外部サービスの力を借りる必要がありました。

もちろんStrava等へリンクすることができますが、単体で利用できるWebツールは、Polar が一歩リードした形です。


その一方で、アウトドア機能は限定的に

アドベンチャーを追求する Suunto とは対照的に、トレーニングに必要のない機能は削減に。

発売時点で、スマホ通知の機能はなく、磁気コンパス、ナビ機能は削除、ブレッドクラム(辿って戻る機能)もありません。

GNSS(GPS)、気圧高度計は、トレーニングに影響を与える獲得標高や速度を記録するための用途がメインと思われます。

今後のソフトアップデートで追加される可能性はありますが、登山などで必要となる場合、よく検討したほうが良いと思います。


楽天・アマゾンともに、予約が開始されています(11月8日発売予定)。