ランニングパワーから、VO2を推定する方法。
STRYDのブログから紹介。
パワーとVO2の間には高い相関がある
乳酸閾値までを見ると、パワー(W / kg) と 酸素消費量( ml / kg / min )は高く相関する。
ビギナーからエリートまで、パワーが上がるほど、酸素消費量は増える。
(原文のグラフが分かりやすい)
エリートランナーは酸素の利用効率がよい
同じパワーを出すときで比べると、エリートランナーは4%ほど少ない酸素で済む。
(つまり、訓練によって、酸素の利用効率は高められる、ということになります)
ペースが上がる(パワーが上がる)につれ、グリコーゲン使用が増加するため(相対的に脂肪の酸化比率が下がるため)、低速ではVO2が相対的に高く、高速では低く見える。
パワーからVO2を計算する方法
使う式は、
ビギナー(Untrained runners) : VO2 = 13.73 × P
中上級者(Trained runners) : VO2 = 13.16 × P
エリート(Elite athletes) : VO2 = 12.63 × P
VO2の単位 は ml/kg/min
P は パワーを体重で割ったもの(いわゆるパワーウェイトレシオ値)
どのパワー域でも近似できる(低速から高速まで)
VO2maxを求める場合は、10分間の全力運動で
この係数はSTRYD専用
速度域による酸素エネルギー収量を補正すれば、さらに精度があがるそうです(原文参照)。
VO2maxを計算してみました
記事のためだけに、10分も最大運動をするのは嫌。雨だし。
なので、直近3ヶ月のパワーカーブを使い、10分パワーを探すと、248W でした。
体重1kgあたりのパワー(PWR値)を知りたいのですから、
248W ÷ 56kg(体重) = 4.4 (W / kg)
いちおう、中上級者ということにして、
VO2max = 13.16 × 4.4 = 58( ml / kg / min )
VO2max は 約 58 ということになりました。
照合してみました
この数値を、別のアルゴリズムで確認してみました。
まず、心拍数ベースの2機種、ガーミンとポラール。
ガーミン
ポラール
WKO5
また、WKO5に備わっている、Power Duration Model の Dashboard でも見てみました。
3.48(L/min) は、全身での酸素量ですから、体重で割って、1kgあたり、ミリリットルに直すと、
3.48 ÷ 56 × 1000 = 61.8 ( ml / kg / min )
ということで、各社、似たようなもんですね。
ポラール先生 と WKO5先生が、かなり近い数値を出してくるのは味わい深いです。
そこそこ速いランナーだと鬼畜な評価をだすようになった Garmin FA 945 先生は、係数をペース域によって切り替えてるのかもしれません。
まとめ
VO2maxの推定は、心拍数ベースでも、パワーベースでも、だいたいどこの社のアルゴリズムでも、そこそこ信頼できるんじゃないでしょうか。
STRYD も使ってるランナーは、GPSウォッチの心拍ベースによる推定、今回のパワーベースによる推定、両方を併用すれば、より自分の走力の把握に役立つと思います。
なお、Apple Wath、Garmin の時計は STRYD すべてのメトリックを記録するデータロガーとして、とても相性がいいです(スント・ポラールはパワー値のみ)。
価格調査やってるので、時計の買い替えのときには参考にしてみてください!
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