【UTMB2018】ニュースレターより 必携の装備が追加へ
2018年、4月19日に配信されたニュースレターによると、『条件付き』必携装備品が追加されました。
どういうのかというと、熱波や寒波のときで、事務局が必要と判断した場合に、追加の装備を求められます。
そのため、ザックの容量選びやドロップバッグの内容、アシストにも影響が考えられます。
このエントリーでは、基本の必携装備品と、条件付きの必携品について、紹介しておきたいと思います。
2018年からの追加装備について
ソースはこちらで、追加となる装備のイメージ写真があります。
対象となるレースは全カテゴリーで、基本となる必携品に、The heatwave kit、Cold weather kit を追加する形となります。 (OCC、MCC は Cold weather kit の代わりに、Bad weather kit となります)
レースビブの配布時に装備チェックがありますが、そのときに所持している必要があります。
また、事務局が寒波(または熱波)宣言をしたときは、レース中に所持していなければなりません。
追加となる装備
熱波の場合 (The heatwave kit)
- 最低2リットルの水
- サハラキャップのように首を覆う帽子、または首を隠せる組み合わせ
- 日焼け止め
- アイウェア(サングラス)
寒波の場合 (Cold weather kit)
- アイウェア(冷気から角膜損傷を保護するためのもの)
- 3番目の防寒着(フリースまたはダウンを推奨)
- 頑丈で閉じた構造のシューズ(ミニマリスト・ウルトラライト不可)
直近だと、2016年が熱波の年で、2017年が寒波の年でした。
特に、2リットルの水、ダウンやフリースは、ザックの容量えらびに大きく影響が考えられます。
基本となる必携装備品
以下は、気象条件にかかわらず、レース中は、ずっと所持しなければいけない必携装備品です。
ビブ交付時に、装備チェックが終わると、ザックにタグが取り付けられます。
こちらに変更はありません。
EUで使用可能な携帯電話
大会事務局や三カ国(フランス・イタリア・スイス)の緊急電話を登録しておき、番号は非通知にせず、電源をいれたままにしておくこと150cc以上の携帯コップ
フタ付のフラスクや、水筒ではダメウォーターリザーバー
水を最低1リットル以上持つことライトと電池を2組
良好に動作するライトと予備電池を、2組エマージェンシー・ブランケット
140cm×200cm以上のサイズホイッスル
伸縮性テーピング
6cm×100cm以上携帯食料
(UTMB® - 必携装備品FAQには、エイドのシリアルバーは持ち出しOK、とあります)ゴアテックス相当のレインウェア
耐水圧10,000 Schmerber以上、RET13未満を推奨(縫製・シームテープ加工はチェックされます)完全に足を覆える装備
長ズボン、レギンス、ハーフタイツ+ロングソックスなどで、完全に脚全体を覆える装備を持つこと帽子、バンダナ、バフ
追加のミッドレイヤー
1枚の長袖ミッドレイヤー または 長袖ベースレイヤー+DWR加工の防風ジャケット(綿は認められない)保温用の帽子
保温用の手袋
防水オーバーパンツ
補足
以下は、事務局からきたメールの残りをまとめたものです
携帯電話(スマートフォンを推奨)
- 機能が豊富なスマートフォンを強く推奨
- フランス・スイス・イタリアの三カ国で使えるようローミング設定を有効にすること
- 大会事務局の電話番号を登録すること
- 各国の緊急電話を登録すること(フランス112、スイス144、イタリア118)
- 番号を非通知にしないこと
- 電源は入れたままにしておくこと
- 完全に充電しておくこと
- モバイルバッテリーの携行を推奨 (UTMB® - 必携装備品FAQには「エイドには充電設備はない」と書いてあります)
服装
ランナー自身の予定タイムに合わせて、ジャケットとセカンドレイヤーを適切に選んでください。 もし、UTMBで40時間を予想しているなら、軽さよりも保護性能を優先してください。
ゴアテックス相当のレインウェア
- 耐水圧10,000 Schmerber以上、RET13未満を推奨 (ゴアテックス相当の耐水圧と通気性があれば認められそうです)
- 機能するフードが取り付けられていること
- 縫い目はシームテープ処理されていること
- 防水性に影響しない通気孔は認められる
追加のミッドレイヤーについて
- 1枚の長袖ミッドレイヤーの場合、男性Mサイズなら180g以上相当
- 長袖ベースレイヤー+DWR加工の防風ジャケットの場合、ベースレイヤーは男性Mサイズで110g以上相当
- 綿は認められない
寒波対策の第3レイヤー (Cold weather kit) は、このミッドレイヤーに加えて、レインシェルの下に着用するものです
完全に足を覆える装備
長ズボン、レギンス、ハーフタイツ+ロングソックスなど。
(着用してレースをしなければならない、ではありません)
必携ではないが、推奨するもの
- サングラス(条件付き必携品)
- GPSウォッチ
- モバイルバッテリー
- ポール(ただしスタートからゴールまで持つこと)
- 緊急時の乾いた着替え
- 20ユーロほどの現金
- ナイフまたははさみ
- 日焼け止め(条件付き必携品)
- ワセリン
準備は怠りなく
自律と安全
必携装備品は、天気の急変から自分を守るためにあります。
2016年のように猛暑もあれば、2012年のように雪や雹に見舞われることもあります。
夜の寒さや雨の中でも、エマージェンシーブランケットや防水ズボンなど手持ちの装備で、救助がくるのを待たなければなりません。
経験
寒さ、疲労、ストレス、、、への感受性はひとそれぞれです。
自分に合わせた装備はゴールのために重要です。
ニーズに合った装備を選択し、十分にテストしてください。
完走にむけて
パフォーマンスを最大限に引き出せるよう、装備を調節しましょう。
手がかじかむと、装備の操作が困難になります。また、明るいライトは夜間走の疲労を軽減させます。
常に全力を維持できるよう、よく考えましょう。
そうすることで、完走できる可能性を高めることができます。
まとめ
2018年から、気象条件による追加必携品が加わりました。
寒波が重なった2017年は、途中の関門で、装備が不十分と判断されたランナーがリタイアになっているのを目撃したので、これまでも現場の判断で行われていたと思います。
逆に考えると、【ちょっとやそっとの悪天候では中止しないよ】という意思表示とも受け取れます。
「条件付き」という考え方は、ナンセンスではない合理的な方法だと思いました。