メチロンのトレラン日記

データオタクの損か得かで考える雑な薬剤師がトレランするブログ

UTMB2018 エントリーの注意点とは

UTMBのエントリーは、思っていたより手間と時間がかかりました。主にハマった点は、資格ポイントの訂正にパスポートが必要になること、英字での健康診断書が必要となることの2点です。今後のUTMFもこのITRAを利用した方式になりそうなので、参考になるかもしれません。

結論:パスポートは取得しておくべし、ITRAのランキングは確認すべし

抽選(プレエントリー)まで

予備知識

UTMBには抽選があり、抽選に参加するためには条件があります。

  1. エントリー資格(ポイント制)を満たすこと
  2. その確認にはITRAランキングが使用されること
  3. ITRAランキングの訂正にはパスポートが必要

わたしがハマったのは、ITRAのデータでした。ITRAが管理するデータベース上で、わたしのリザルトが複数のエントリーに分かれており、結合する必要が生じたことです。その結合作業には英文で書かれた身分証明書が必要となり、抽選に応募するためにパスポートを取得することとなりました。

なお、ITRAリザルトの確認と訂正の手順については、別の記事にまとめました。

live-simply.hatenadiary.jp

パスポートの取得

パスポートを持っていないなら11月中に取得しておくのがベターです。プレエントリーが始まってから気づいても、リザルト訂正には間に合わないでしょう
パスポートは時間が掛かります。戸籍謄本が必要で、本籍地が離れていると郵送取得で1週間~10日ほどかかります。また申請してから受け取りまで 中6~8日ほどを要し、受取時にもパスポートセンターへ出向く必要があります。さらに大型連休や年末年始が近い時は混雑します。

抽選への申込み(プレエントリー受付)

プレエントリーが始まったら、UTMBのアカウントを開設します。登録事項は、生年月日や住所など国内のレースと同様です。
アカウント作成後にエントリーできるカテゴリーが表示されます。基本的にITRAに登録されたレースならカウントされているはずです。
なお、プレエントリー申込時に、参加費の一部(50ユーロ)を支払う必要がありますが、落選時には返金されます。

なぜかポイントが足りない場合

以下が考えられます。
* リザルトが異なってリンクされている場合(訂正方法は前述)
* 参加したレースのリザルトが まだITRAに登録されていない場合
* ITRAに登録されているにも関わらず、UTMBが認めない場合*1

どちらの場合も、問い合わせは「自分が参加したレースの主催者」を介して行います。UTMB事務局はランナー個人からの問い合わせを受け付けていません。前述したように、UTMB事務局が個々のレースを直接に審査するわけではないからです。


このことは UTMB® - Qualifying races - Regulationsにも明記されているので、UTMB事務局への問い合わせは避けたほうがよいと思います。書いてあることを読めない・ルールを守らない印象を与えるだけで、不利になることはあっても有利に働くことはありません。
(UTMBが認めない固有ケースがありますが、今後は解消すると思われるので今回は触れません。別のエントリーとして改めます)

抽選に通ってから

残りの参加費を収めます。そして5月末までに英文表記の健康診断書を送付する必要があります。

とくに所定の検査項目があるわけでは、ありません。

PDFをダウンロードして印刷し、医師のサインをもらい再アップロードするだけですが、山岳レースの健康診断書であること、英文表記という点で敷居が高めです。

診断書の提出

ですから、まったくアテが無い方は、4月上旬までに着手したほうがよいでしょう。即日交付はまず期待できませんし、初対面で「山の中を100km以上、2日ちかく走れる健康状態にあること」にサインするお医者さんなど中々ありません。

お医者さんを探す

主治医があればまず相談し、なければ 友人や知り合いの医師に頼むとよいでしょう。それ以外なら、スポーツ外来をもつ医療機関や、トライアスロンやマラソンに理解がある医師を尋ねます。ランニング雑誌にもときどきランニングドクターが記載されていたりします。

UTMB行くの?すごいね で通じるお医者さんが見つかれば、それが費用も時間もいちばん掛かりません。診断書発行料だけで済むことも多いです。

逆に組織が大きく、またスポーツ向けの検診をやったことがない病院だと、不要な検査をすることになり、費用がかさんだり、発行に時間が掛かることがあります。

目星をつけたら、まず電話で問い合わせましょう。医療機関は病気の治療が優先なので、特別に時間外で相談にのってもらえるかを尋ねる感覚です。1)海外のマラソン大会であること 2)英語(またはフランス語)のサインを求めていること は伝えましょう。この時点で断られるのもしゃあないです。

受診

証明書の内容は理解しておきましょう。Stamp of doctor のところは厳密には 病院のスタンプではなく、医籍登録番号です。

  • I hereby doctor ... 医師名
  • Family name / First name ...参加者名
  • Date of birth ... 参加者の誕生日(dd/mm/yyyy)
  • Date... 医師がサインした日(dd/mm/yyyy)
  • Doctor's signature... 医師のサイン
  • Stamp of doctor or professional number ... 医籍登録番号

問診の際には、UTMBの説明よりも、自分の健康と実績が問題ないことを優先します。初診でも、過去数年の健康診断記録や 日々の練習記録(安静時心拍や血圧、体調変化、練習量)、レースを安全に完走してきた実績など、データを添えた方が理解が深まりやすいと感じます。
その上で、医師が診断するに心配な項目を追加検査され、問題がなければ後日、診断書が交付されます。

診断書の送信

診断書を送信してもすぐには承認されないようで、ブログ執筆時点(3月16日)では Waiting for validation で止まっていますが、期限は5月末なので慌てずに承認を待つほうが得策です。相手にきびしく求めるほどこちらの内容も厳しくチェックされる可能性があるので藪蛇だと思います。