心拍数トレは随分メジャーになったようだが、「心拍数の変動」で自律神経系(ANS)の疲労具合がチェックできる*1のをご存知だろうか。 英語が苦手な方は、『すべての疲労は脳が原因 (梶本 修身 著)』を読んでいただくとして*2、ここではスマホを使って簡便に測定する方法を紹介しておきたい。
用意するもの
スマホアプリ:Elite HRV - Heart Rate Variability
→iPhone 4S 以降、BLE対応のandroidBluetooth4.0対応の心拍センサ
→Suuntoのスマートベルト, Polar H7, Germin Premium sensor が対応
※指先や手首などで測定する"光学式センサ"は、心拍変動が測定できないので注意が必要だ。
準備
1.インストールを行う
2.アカウント作成を行う
3.心拍ベルトを装着する
4.ペアリングを行う
測定
測定には、毎朝おきた時に測る「Morning Readiness」と、好きなときに測れる「Open Reading」の二種類がある。疲労の蓄積を測定するのは「Morning Readiness」の方だ。
これを行うと、10段階で交感神経と副交感神経のどちらが優位になっているかで示してくれる。それを疲労を知る手がかりにするわけだ。
例を示そう。
交感神経(sympathetic nerve)優位
これは、おんたけウルトラを走った翌朝の Morning Readiness。
黄色になっているので要注意。
針が左に傾いているので交感神経(sympathetic)が優位。評価は4/10。
睡眠を経ているにも関わらず交感神経優位が続いているということは、興奮の余韻がまだ続いていることを示唆している。
消耗しやすい状態が続いているので、さらなる刺激は避けたほうが賢明のフェーズだ。
副交感神経(parasympathetic nerve)優位
ビルドアップ走を行った週、さらに御嶽山へ登った翌朝の状態。
黄色になっているので要注意だ。
針が右に傾いているので副交感神経が優位、評価は5/10。
起床したのに副交感神経の優位が続いているということは、疲労回復の最中なのに目が覚めてしまい、抜けきれてないことを示唆している。
蓄積した疲労が抜けるまでしっかりレストしたいところだ。
バランス
最後に、ベストを示す。
緑は、バランスが取れていることを示している。
十分に疲れが抜けているので、効果的に追い込むことができる日だ。
使い方には少しだけコツがある。
条件を揃えないと、条件の差が変動として現れてしまう。
以下の点に注意されたい:
- 起床時にすぐ測る
- 毎日行う
- 同じ姿勢・条件
- 使いはじめの数日間はベースラインを把握するフェーズになっていて、その間は n/a 表示になっている。
そもそも何のためにトレーニングするかといえば、能力を伸ばすためだろう。だが、能力は続く休息期間で拡大するのであって、トレーニングその最中に伸びているわけではない。そのために、適切に疲労をマネジメントする必要がある。
これで疲労の全てが測れるわけではないにしろ、その傾向ぐらいは掴むことができる。
スマホやガジェットの急速な進化によって、毎日のトレーニングに利用できるのは実にありがたいことだ。
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*1:Science - Firstbeat 同社はGarminやSuunto他に心拍テクノロジーの提供を行っている
*2:第一章・もっとも疲れているのは自律神経