【旅行記】Oregon Coast 50k 9〜10月のトレーニングとレース詳細
8〜9月の練習内容
王滝ダートマラソン以降は、持久力を維持しつつ、レースにむけてのテーパリングが課題。
この時期は、『キロ4で続けられるところまで』という、強めのテンポ走が週1回、加わる。
そのため、40分〜60分の部分で、平均パワーの上昇がみられている。
涼しくなってきたのもあり、調子が上向いてきたが、王滝からテーパリングまで2週間しかなく、伸ばしきれなかった。
あと、1週間ほど欲しい。
レースの組み方は難しい。
Oregon Coast 50k
今シーズンの区切りとして目標としていたレース。
RainShadow Running という団体による人気のある大会で、いわゆる「走れるコース」。
スタート後、砂浜を13km往復し、ロードから山のセクションに入り、3つの山を超えて、ふたたび海岸線でゴールという、50kmのロングレース。
土曜日に行われるが、2日目の日曜日には30kmの部があり、こちらは海岸線の往復が行われない。
予定と結果
王滝42kmが、6:48/km 、165W平均 だったので、それより少し上を目標。
また、海岸やロードのフラット区間も多いため、6:00/km、180W平均。全体でちょうど5時間を目安とした。
結果:実測49km +1,500m 、5時間44分、8’06/km、平均パワー154W と、大幅に予定を下回る結果に。
おぼえ書き
ビブ交付(6:30)
Adobe Resort に大会本部にて。
奥三河パワートレイルでいえば、湯の風・HAZU にあたる。
ホテル、レンタカーなどはもちろん、小さな大会であっても、写真入りの身分証明書での本人確認が必要なのは驚き。
装備
速乾Tシャツ、短パン、Salomon 5Lザック(貴重品)、フニャスク500ml*2 、ジェル4、ORS粉末2リットル分
直前の寒さに動揺し、ウインドジャケット、カーフガードとアームカバーを加えた(これは失敗)。
Adobe Resort:スタート〜(8:00 + 0:00)
Adobe Resort
風が強く、まだ寒い。
マイクの準備が間に合わないようで、すこし遅れてスタート。
藤岡コーチはトップ3ぐらいの位置で、あっという間に見えなくなってしまった。
砂浜は走りにくいかと思ったら、固く締まっていて走りやすい。
キロ5で進む。
折返しすこし手前で、藤岡コーチとすれ違う。
力みのない、ジョグをしているように見えるが、位置的にもサブスリーペースぐらいのはず。
砂浜でちょっと理解できない。
折り返し点で、カード(トランプ)を引いてくる。
ハートの8
なんだかいい感じ。
スタート地点まで戻り、ハートの8を返すことで、通過チェックの確認。
バークレーマラソンの本を破ってくるやつみたいで、手集計も味があってよい。
区間 12.6 km 200W 5'11/km
Adobe Resort:第1関門〜(13.2km + 1:05)
スタートをすぎると、海沿いのロード。
舗装は反発があって走りやすく、得意な区間。
一方、地元のランナーは、路肩の土や草の部分を好んで走る。
また、フォアフットのためか、足の裏がずっと見えているのが面白い。
Yachats の小さな市街を抜けたあと、ハイウェイを横断する箇所がある。
交通規制もなく、高速道路を横断するって、すごい大会。。
それが許されている、ってことも。
横断したあとは、1つ目の山。
決して走れなくはない斜度で、よく踏まれたトレイル。
なのに、身体の動きが重く、ピークに近づくにつれ、歩きが交じる。
下りもうまくバランスが乗らず、ペースが上がらない。
下りきったところで、エイド。
区間 11.5 km 159W 7'02/km
Cape Perpetua:第2関門〜(23.5km + 2:26)
ジェル1つ。水をもらい、保水液を作って、2つ目の山。
下の方はよくある林道で、走れる。
登るにつれて針葉樹になっていくが、日本の針葉樹林帯に比べて、さほどテクニカルというわけでもない。
だけど、身体が重くて上がらない。
まるで、ウルトラの2日目の朝のような疲れ方がする。
走れれば気持ちのよいはずのシングルトラック。
つぎつぎとランナーに追いつかれ、軽やかに抜かされていく。
登りきった先に、エイド。ここで折り返し点。
区間 8.3 km 140W 8'51/km
Cooks:第3関門〜(32.3km+ 3:39)
ジェル2つ目。水と経口補水液の補充を終えて出発。
すこし暑い。スタートが寒く、アームカバーとカフガードをつけたのは不要だった。
ここからは下り基調。サーフェスとしては石ごろもあるが、ふだん練習してる林道と大差ないレベル。
しかしリズムにのれず、ドシドシと衝撃の乗る下り方しかできず。
下り終えると、Cape Perpetua の展望台に戻る。
さきほどよりも観光客が増えていて賑やか。
区間 6.0 km 133W 6'39/km
Cape Perpetua:第4関門〜(39.6km + 4:20)
行きに通ったエイド。水と保水液を満タンに。ジェルを食べて軽くし、アームカバーを外す。
3つ目の最後の山。といっても行きに通った1つ目の山を帰る。
うさぎのように軽やかに走る女性ランナーが何人も。抜いていく。
逆に男性ランナーは前後のメンバーが決まってきた。
それにしても、若い参加者が多く、男女比率もほぼ半々、というのは、日本では見ない光景。
ロードに戻ると、暑さと疲れでよく覚えていないが、ずっと後ろにだれかがピッタリと走っていて、追われている気がした。
キロ5のペースをなんとか維持。
疲れからの幻聴だったと思うが、そのままゴール。
区間 10.9 km 136W 7'58/km
ゴール(50km + 5:44)
考察と反省
良かった点
楽しめた
最後まで脚は保った
ジェル・ORSの補給は予定通りだった
便意がこなかった
悪かった点
設定ペースが高すぎた
体調がベストではなかった
装備が重い・暑かった
トレイル練習の不足
①設定が高すぎたこと。
全体がキロ8分・平均パワーが154W というのは、王滝42k の 平均165W を大きく下回る。
序盤の砂浜、固く締まっていたが、実はかなりエネルギーを吸い取られていたのかもしれない。
パワー分布をみても、序盤をもっと抑えていったほうが、トータルでは早かったと思われる。
②体調について。
時差調整が十分でなかった。
Jet Lag Rooster という計算機を使えば、脳の時差はかんたんに調節できる。なんならメラトニンのタイミングも指示してくれる。
しかし脳は比較的はやく順応できるが、消化管や筋肉といった原始的な組織になるほど、順応が遅い。
場合によっては、1ヶ月近くかかる場合もあるとのこと。
西海岸の朝8時は、日本時間の夜0時。ここから4〜5時間のレースというのは、完全に身体が寝ている時間帯。
ウルトラの2日目の朝のような疲労を感じたり、短い距離なのに幻聴が聞こえたりしたのは、そのためと思われる。
100マイルなど時間が長いレースほど時差の影響は気にならないが、ショートレースになるほど、
「全身の体内時計を現地時間に同期」
させる必要が高い。
詳しくは、次の記事がわかりやすい。
これは東向きに飛ぶときには、かんたんに調整できるものではないので、海外レースを考えるときには無視できない大きさの課題。
世界のスカイレースで結果を出してる上田瑠偉選手とか、ほんとうにすごい。
③装備の重さ
朝の寒さにビビって、アームカバーにカフガードをしたこと。走り出したらすぐに暑くなり、日が昇るにつれて汗を吸って重くなっただけで失敗。
また、財布やパスポート、鍵類を ホテルに置いとくのもどうかなと思い、貴重品類を持っていったのも重くなった原因。
④トレイル練習の不足
走りきれると思い、走れる斜度の練習を中心にしてきたが、歩きになることも想定し、パワーハイクも交じる練習をしたほうが良かったかなと思う。
また、テクニカルな下りをリズミカルにおりる練習が足りておらず、これは代替が効かないため、林道ではなく登山道や作業道でやる必要がある。
Oregon Coast Trail
ポートランドの西方の海岸線にそって、カリフォルニアまで続く、600km以上のロングトレイル。
まるで四国遍路を思い出すようなマーキングがされている。
コース周辺には、指定キャンプ場が数多く見られるが、指定管理者に申請し、利用料を収める必要がある。
海には海の、森には森の管理者があるようで、警察権のように厳しく取り締まっている様子が伺える(罰金があると書かれている)。
植物や生き物の採取についても規定があり、例えば
海岸でカニをとって食べることもできるが、小さなカニや、メスは取ってはいけない、というルールが明記されている。
自然と触れ合うイメージのある西海岸であるが、守るためにルールが明示されており、場合によっては罰金もあるという厳しさが、自然を守っていると感じさせられる。
Rain Shadow Ruuning
このあたりで30〜50Kほどのレースを数多く開催しているよう。
一日中たのしめる大会づくりをしているようで、会場ではピザや地ビールの振る舞いもある。
ビールを飲みながら、ゴールを迎える雰囲気は控えめに言っても最高。
また、大会のシャツが COOL。
よいデザインなので、ワゴンセールでたくさん買ってしまいました。
コットン素材のもので$5、Patagonia Capilene Daily の素材のものでも、$10!
ガチなランナーも楽しめるタフなコースだけれど、ファンランでも、家族全員でも一日中たのしめる大会って、ほんとうにいいなぁ、また行きたいなあと思います。
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