メチロンのトレラン日記

データオタクの損か得かで考える雑な薬剤師がトレランするブログ

ランニングのFTPを測定する方法・5つを解説

パワー計を使うには、FTPを知る必要があります

ランニングパワーメーターも例外ではありません

でないと『高価なおもちゃ』で終わってしまいます

そこで、基準となるFTPの求め方を紹介します

FTPとは

Functional Threshold Power の略

1時間つづけられる最大出力の平均値


心拍トレで、最大心拍数が必要なように、パワーは、FTPの何%か、で考えます

FTPの測定法

その①…1時間走

シンプルに、全力で1時間はしりつづけます。

その平均出力が、定義上のFTPですが、計測のためだけのダメージとしては、現実的ではありません。


その②…20分走

そこで、簡易法があります

20分、全力で走り続けます

その95%がFTPになります

バイクでよく用いられる方法です


その③…3分-9分走法 👉 おすすめ

現実的に取り組みやすいのは、3分-9分法です

f:id:live-simply:20180403182012p:plain:w480


手順の詳細

  • ウォーミングアップ10~15分

  • 全力走3分

  • 歩き5分、イージージョグ10分、歩き5分、イージージョグ5分、歩き5分
    (これでほぼリカバーできます)

  • 全力走9分

  • クールダウン10~15分

  • 3分、9分の平均パワーを、それぞれ求める

  • その2つの値を足して、2で割る

  • その90%が、推定されるFTPの値


Jim Vanceさんが、TraningPeaks ブログで推奨している方法で、FTP誤差は±3%以内と優秀です


測定中、高強度が占める時間は 12分。

精度が高いわりに、計測によるダメージが少なくて済むので、練習計画に影響を与えにくいメリットがある


その④…5km走・10km走の流用

Stryd PowerCenter を使うなら、5km走や10km走の結果でもOK

FTP値とFTPペースを自動計算してくれます

f:id:live-simply:20180403183450j:plain:w480


タイムトライアル走をルーチンで組み込んでる方にはお勧めの方法です


その⑤…パワー計測ソフトを用いる方法

TraningPeaks等のパワー分布図を使ったり、散布図にプロットしてクリティカルパワーを求める方法があります

専門的なので、項を改めます


実際に測定した結果

3分ー9分法 をやってみました

StrydGarmin Power Meter を 同時測定しています


f:id:live-simply:20180406075355p:plain:w480


Stryd と TraningPeaks

3分間の拡大

f:id:live-simply:20180406075634p:plain:w480

TraningPeaksでは、より正確な指標である、NP(正規化パワー)を 使えます

3分間の平均パワー・・・238W


9分間の拡大

f:id:live-simply:20180406075623p:plain:w480

9分間の平均パワー・・・223W



計算すると・・・


f:id:live-simply:20180406081324p:plain:w480


Stryd での FTPは、207W と出ました!


Garmin Connect

ガーミンだけでやるのは、すこし苦労します

Garmin Connect では、ワークアウト全体の平均パワーしか表示されないためです

f:id:live-simply:20180406101946p:plain:w480


そこで、スライダーを移動させ、3分・9分 それぞれの平均パワーを読み取ります

だいたいでOK


3分間の平均パワー・・・約340W


9分間の平均パワー・・・約300W


同様に、ふたつの平均値 320W の 90% = 288W

Garmin Power での FTPは 288W と出ました!

Garmin の方が、高く出る傾向があります

パワー値の使い方

FTPが出れば、あとは心拍トレと似たようなもの

以下は、Run with Power の著者、Jim Vance さんによる区分です


f:id:live-simply:20180406161356p:plain:w480


ジョグと全力走、それぞれのペースとパワーを読みとったのが以下:

f:id:live-simply:20180406152902p:plain:w480


Jim Vanceさんの表に照らしてみると、

キロ6分半は、Garmin ・ Stryd 双方とも 回復ゾーン

キロ4分半は、どちらも 高強度ゾーン


Garmin と Stryd 、対FTP比にすると、違いはほとんど無さそうです


あとは、ウォッチにリアルタイムパワーを表示し、鍛えたいゾーンをトレーニングするだけです

気をつけたいポイント

パワー計の互換性はありません

センサー取付位置・アルゴリズムが異なるため、Stryd と Garmin での パワー値には互換性はありません

Garminの場合、心拍ベルト(HRM4-Run)と、RD-pod でも、僅かな違いがあります

バイクのFTP値とは異なる

ランFTPは、バイクと異なります

分けて管理する必要があります

TraningPeaks の場合、設定>Zone から、Ruuning Power を新規作成

やり方はこちら

これで、バイクFTPと、ランFTP(rFTPw)を分けて管理することができます!


定期的に計測する

成長すればパワーも上がり、FTPも上がる

TraningPeaks を使ってるなら、TSSが 100/1時間 を越えたり、IF が 1.0を 超えるようになったら 要注意

FTPの再測定が必要です(年に4~6回)

疲れが抜けている時に測る

なので、ピリオダイゼーションしてる人は、フェーズの最初に測るよう、決めましょう

疲労を抜いた翌週がベストです


参考資料

Running With Power: How to Find Your Run FTP | TrainingPeaks

Jim Vance’s Running Power Zones | Run with Power


まとめ

パワー計を『高価なおもちゃ』で終わらせないためには、FTPの計測が必要です

「どの能力を鍛えているか」は、心拍のようにゾーンで把握します

バイクパワー計ほど精度は高くなく、どれを選んでも対FTPゾーンはそれなりに正しく算出される

数値に互換性はないため、ひとつのパワー計を使い続ける必要がある




関連記事

live-simply.hatenadiary.jp

live-simply.hatenadiary.jp

live-simply.hatenadiary.jp