レースだとエナジージェルばかりになりやすいので、口の中が酸性化して、ジェルがしみやすくなりませんか。
特に長丁場のウルトラがそうで、染みるのが気になってきて、ジェルを食べるのをためらってるうちに、後半ペースダウンがひどくなる・・・。
ここ数年、うまく行ってる付け焼き刃の対策があるので、紹介しておきます。
虫歯を治すことはできませんが、染みてくるまでの時間を先延ばしにする効果はあります。
この記事が役にたつ人
- ベースに歯の弱さ、たとえば虫歯や知覚過敏がある
- レース中にジェルを食べてるうちに、歯に染みてくる
歯が痛くなる原因
歯の表面をカバーしてるエナメル質が無くなり、象牙質が露出すると、刺激物が神経に触れやすくなるので、痛みが出る。
虫歯とか、知覚過敏と呼ばれる状態。
結果として、レース中の冷たい水、濃縮された甘いジェルによる浸透圧、ジェルに含まれる酸味料が刺激物になり、不快感となってジェルを食べるペースが落ちやすくなります。
虫歯は、エナメル質の摩耗で、原因は「酸による腐食」「硬いものや歯ぎしりによる消耗」「研磨剤での歯磨きのしすぎ」が多い。
知覚過敏は、歯ぐきの後退により、エナメル質の薄い根っこのあたりが露出してしまう状態で、「加齢」「歯周病」「硬い歯ブラシで磨きすぎ」が原因として多い。
特にレース中は、ジェルばかりが口内に長くとどまるため、細菌や酵素で酸性化しやすく、さらに酸味料のクエン酸が攻撃因子となるため、長いレースの後半になるほど気になってきます。
歯が痛くならないための対策
対策は大きく分けて2つになります。
- 歯への攻撃を減らす
- 歯の防御力を高める
それぞれに、日常、レース中でのポイントがあります。
歯への攻撃を減らす
エナメル質を溶かしたり、刺激となるものを、口のなかに長く留まらせないようするのが基本。
<日常>
- 歯磨きをしすぎない
- 硬すぎる歯ブラシを避ける(歯ぐきを後退させやすいです)
- 研磨剤の歯磨き粉を避ける
硬い歯ブラシで、研磨剤入の歯磨き粉でガリガリやるのは、歯ぐきを後退させて、敏感な部分を露出させてるようなもんです。
<レース>
- クエン酸の多いジェルを避ける
- ジェルをいつまでも口内で味わわない。口の中に広げないようサッサと飲み込む
- 梅干しや酸っぱい果物も、いつまでもナメ続けない
一日中、夏みかんとかをしゃぶっていて、歯に穴が開いたのを見たことあります。
ジェルを摂ったあとは、薄めてスムーズに吸収する意味でも、水で口をゆすいで飲んどくのがベターです。
「重曹水のうがい」はさらに効果的。
酸を中和できるので、選手サポーターの方は、作っておいてあげると良いでしょう。
500ccのペットボトルに、小さじ1杯の重曹で十分です(ザラつかないよう、よく振って溶かします)。
歯の防御力を高める
歯が染みてくるのを、1分でも遅くするのが大切。 なかでも、高濃度フッ素のペーストは有効です。
<日常>
- 柔らかい歯ブラシを使う
- 高濃度フッ素のペーストを塗る
- 歯間ブラシやウォーターピックを使う
<レース中>
- 飲食後にうがいをする
実は、歯の表面はわずかですが、唾液中に含まれるカルシウムにより、修復されています。
たとえレースまで数日しかなくても、高濃度フッ素でカルシウムの定着を助け、柔らかい歯ブラシでエナメル質を傷めないようにすれば、歯が痛くなるまでの時間稼ぎをすることができます。
高濃度フッ素の効果については、ライオンの歯磨き、クリニカのページがわかりやすいです:
役に立つアイテム
ぼくがレース数日前から徹底してるのが、以下の対策。
高濃度1,450ppmのフッ素のペーストを、柔らかめの歯ブラシで歯磨きしたあとに、歯の全体に塗りたくります。夜、寝る前の1回だけで十分です。
あとは、口のなかを軽くゆすいで寝るだけ。
2〜3日前からでも効果が実感できます。
また、ウォーターピック(ジェットウォッシャー)もおすすめ。ぼくはジェルを摂ったり、甘いもの食ったあとは、徹底的にやってます。
歯の溝にゴミが溜まりやすい、歯ぐきの後退や歯周ポケットがある、という方は、日常ケアにとても良いです。
この電池式が一押し。お風呂に持ち込めば、水ハネも気にならない。持ち運びしやすいのでレースの遠征にもよい。単3が2本で動くので海外旅行でも困らない。もちろん充電池も使えます。
歯の間はもちろん、歯のミゾ、歯の詰め物の境目といったゴミや細菌が溜まりやすい部分、歯ぐきのポケットも丁寧にやると、あとのスッキリさは、歯ブラシだけとは比較にならない。
ウォーターピックは、AC式、充電式と一通り使ったぼくがたどり着いたのがこれで、パワーも申し分ありません。
最後に
とりあえず、虫歯を治すことはできませんが、染みてくるまでの時間を先延ばしにする効果はあります。
ストレスを減らすことは、ウルトラ完走につながります。
レースが終わったら歯医者さんに行きましょうね!
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